ナンパ待ちのためにバーにひとり飲み

お酒好きの私は1人暮らしを機に1人飲みに挑戦することにしました。
出会いが目的ではなかったのですが、ネットの情報を見ているうちに、バーのカウンターで一人飲みする女性は男性との出会いを待っているという記事をみつけてしまいました。

1人でおいしくお酒を楽しみたかっただけの私は、ネットでステキなバーをみつけたのですが、なんとなく行きづらい気持ちになってしまいました。
それでもどうしても行ってみたくて、勇気を出して行ってみることにしたのです。

まだ友達とも行ったことのないバーだったのでとても緊張して、なかなかドアを開けられませんでした。
ドアの前で躊躇していると、後ろから来た男性がスッとドアを開けて、どうぞと私を店の中に入れてくれたのです。

男性は1人でカウンターに座り、一緒に来たと勘違いしたバーテンダーが私を彼の隣に座らせました。
緊張して思うように言葉が出なかった私は、そのまま彼の隣でマティーニを注文し、ぎこちなく苦いお酒を飲みました。

その後何度かお店に通っているうちに彼と顔を合わせることが多くなり、初めは会釈程度だったのがいつしかカウンターに並んで一緒にお酒を飲むようになったのです。

ステキなバーのカウンターが彼と私の出会いの場所になりました。
その日のうちに一夜を共にしたのも、運命のいたずらでしたね。
まさか、あんな道具が出てくるとは思いもしなかったのですが、思わず興味が勝ってしまって。

カクテルをつくる

バーテンダーに憧れた時期があった。
その際には、思わずシェイカーその他一式を買い揃えた。
今は至れりつくせりの世の中で、シェイカーが欲しいと思って店をぶらぶらしていると、シェイカーのみならず、計量カップ、アイスピックやあのなんだか長いスプーン、レモンをつぶす器具やらなにやら一揃えになっている入門セットが売っていた。

これは素人にはもってこい、と思って早速購入した。
そして、カクテルの本、主要ベースになるリキュールやスピリッツを何種類か買い集めた。
まずは予習、ということでカクテルの本を熟読。
あのかっこよくシェイカーを振る姿に憧れるまさに素人らしく、あくまでショートカクテルにこだわる。
そしていざ、数種類を作ってみた。
もちろん、シェイクは見よう見まね、よくシェイクの仕方によって味の角がとれてまろやかになると聞くが、むろんそんな違いは一向分からない。
とにもかくにも冷たく混ぜる、というところに始終一貫して、教科書どおりの分量で次々に調合して行った。
作るのはいいが、あくまでアルコール度数の高いショートカクテルであるので、作っては飲み作っては飲みを繰り返しているうちに、家にいながらベロンベロンになってしまった。
それ以来、すっかり自重している。
家に客が来たときなんかにごくごく稀にカクテルをつくろうと思うことはあるが、つくりたいメニューに必要な材料がその時揃っていることがめったになく、結局は実行には移せないということが多い。
そんなわけで、なかなか日の目を見ない我が家のシェイカーたちである。
幸いにも素材がステンレスなので、まだ大丈夫か、と思ってはいる。