俺の酒
私はとろいけど、彼は一日だって無駄にはしてないわけだ。
さすがだね、と友人だったら握手を求めたいくらい。
でも、彼の寄せる望みや期待はまったく別。
そしてこれからの年月を思うと、費やされた年月も途方もないわけではないのでは?と僭越ながら思う部分もある。
交渉もあるし、いろいろとあるし。
では「早くしてよ」と申し上げたい。
出産がどんなに大変か知ってんの?と平ピンを何発かぶちかましたい。
授かるにも平均して1年半はかかるという。
うちの子はすごいことに一発一中。
すごい命中率でしょ?。
でも難航するケースはとても多いと聞く。
もしまたも断られたら?。
「俺の酒が飲めねえってぇのか!」って無理やり暴れたいくらい。
それにあの頃とは状況も違うし。
ていうのか、変えてくれたんだよね?。
まあ私のためプラスあなたが超わがままだからなんじゃない?って気もしないでもないけど。
亭主関白なんだ。
俺についてこいタイプなんだ?。
だったらお願いだから早く登場してよ。
多分、紙に強いから面と向かって言う機会はないかもしれないから、ここで書いておきます。
「愛しています」。
こんなに愛情を捧げてくれたからって訳じゃなくって、あなたほど私が頼れる人はいないから。
尊敬もしてるし、大好きだから。
それに生まれて初めて男性に甘えられるかもしれないと期待にわくわくしてるから。
戒めてくれる欠点を正してくれる男性なんてひとりもいなかったし、この先もいない。
倒れた彼女を乗っけていったのも、私への信頼と絆の打診だったって本当は分かっています。
我慢した女性の方が美しいもんね。
それに逆だったら私に風当りが強くなっただろうしね。
ごめんね、そこまで心を砕いてくれてたのに、嫉妬に逆上してしまって。
でも、むかつくわ。
まあ、勝手な解釈だったかもしれません。
ここまで真摯に考えてダメならそれでいい諦めようと思う。
けど、そうしたら、わたしって一生キーワードを聞くたびに胸が張り裂けそうになるんだ。
この先一生ですか?けっこう長いよ。
それに意識してなかったけど、わたしってそれらを口にする回数多いわ。
これはどうしようもない、お手上げだけど、子どもがいるからわたしに自分を断つ自由はない。
「どうかどうかよろしくお願いします」。
伏して心よりお願い申し上げます。
ねえ、どうしたらいい?。
何が目当て?。
お願いだから教えてほしい。
でも消えないで。
行かないで。
不安で仕方ないから。
あなたのいない人生なんて考えただけで不安で仕方ないから。
そっちからこうしたんだから、責任とっていただきたい。
もうへとへと。