年下好みの懲りない人
古くからの男友達に呼び出され、バーのカウンターで彼女に振られた話を終電まで聞いていた。
確かお相手は7歳年下で、付き合いはじめたころはまだ学生のお嬢さんだったはず。
彼はたいそう入れ込み、彼女の家の近くに引っ越しまでしたのだった。
喧嘩別れだというので、その理由を聞いてみると「年下ゆえのいたらなさが可愛かったんだけど、逆にそれが不満になってきた」とのこと。
その不満を彼女にぶつけたら「年上のくせに器が小さい」と、バッサリ切り捨てられたそうだ。
私は内心、彼女に対して「やるじゃないか」と感嘆したものの、友情からそれを表に出さず、「まぁ、次があるよ」と励ました。
彼はウィスキーのグラスの中で氷を転がしながら、「次は、大人の女がいいな…年下には懲りたよ」と呟き、寂しそうに笑った。
だから彼から新しい彼女ができたと報告を受けた時は嬉しかった。
しかし「それが8歳も年下なんだよね。可愛くてさあ」という彼の言葉に、思わず「好きにしなさい」と冷たく返してしまう私だった。
久しぶりのいとことの再会について
久しぶりにいとこに会いました。
かれこれ、15年ぶりくらいになるでしょうか。
私よりも10歳以上も年下の彼は、私の中では小っちゃくて可愛い男の子。
夏休みになると、いつも都会から電車を乗り継いで、母と彼のお母さんの実家である山の中の一軒家にやってきました。
いつもニコニコしていて、優しい男の子でした。
しかし、私も彼ももう立派な大人です。
彼はまだ独身ですが、昔の雰囲気は全く無いイケメンになっていました。
いとこですから多少なりとも血がつながっているのですが、顔も体型も全く似ていません。
面白いものですね。
一度有名企業に就職した彼ですが、その後周りの人の反対を押し切り自分が好きな道に進むことを選びました。
そのことは私の母から聞いていたのですが、あまりにもびっくりするような道だったので最初は信じられませんでした。
しかし、それからもう10年以上も経つ今も続けているという事は、本当に素晴らしい縁だったのでしょう。
彼のお母さんを知っているのですが、非常に厳しくて硬い人です。
そのお母さんの反対を押し切って今があるわけですが、かなりのチャレンジャーだなと正直思っています。
でもそんな彼を、血がつながっている私としてはとても誇らしくも思えるのです。
そういう所は、やっぱり私も似ているのかもしれません。
これからどんな道が待っているのか、上手く行くのかどうかさえ分からないのですが、どうか幸せがたくさん待っていることを祈ります。
きっと、色んな辛いことを乗り越えてきた人です。
ですから、どうかこの先の道が平坦であることを強く願います。