聖母マリアの憂鬱

おかしい。彼は絶対に私を好きなはず。それどころか狂おしい愛すら抱いているとみた。この私の目に狂いはない。自分史の精度の高い統計にも、彼は見事に合致した。体育会系 …

偽物

悲しいかな、お妃の端正な造りの顔は今やすっかり醜い。直視できないほどに、美貌が憎悪に毒されている。わたしはきっぱりと毒りんごづくりには協力できないと宣言した。す …

勝気な私はどうしても、彼女の鼻をあかしてやりたかった。「今から行っていい?」。湿っぽい彼の声。あの昼以来、ずっと逢瀬を重ねている。人のダンナ様を盗るなんて。私は …